「障害者差別解消法を啓発する市民の会」と称する団体をご存知だろうか。インターネット上で反ワクチン・反コロナなどの主張を発信する団体で、少なくとも活動家・労働運動家の有岡隆氏が活動していることが分かっている。
その実態は闇に包まれている部分があまりにも多いが、公開情報をたぐり寄せてその実態を明らかにしたい。
会の紹介文
トップページのヘッダーに記載されている会の紹介文には、下記のとおり記載されている。
「障害者差別解消法」は平成28年4月に施行された法律で、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として制定されました。「マスク着用」「アルコール消毒」などが、障害者や疾患をお持ちの方にとっては著しく負担となる場合があります。そのような方から「マスクできない」など何らかの申し出がある場合は、マスク非着用を認めるなどの「合理的配慮」の提供が必要になります。
障害のある方も暮らしやすい社会となるよう、「障害者差別解消法」という法律について、一人でも多くの方に知っていただきたいという思いから本ブログを運営しております。本ブログでは当面の課題として、「マスク着用」をはじめとした新しい生活様式全般、そして、ワクチン接種をしないと判断した障害者に対する「合理的配慮の提供」について、啓発・情報発信をいたします。
要するに、コロナ対策の一環として始められた「マスク着用」に対して、障害等の問題からマスクを着用できない国民がいることを前提として、そのマスク不着用が「障害者差別解消法」に基づく合理的配慮として認められるということを啓発する団体だということだ。
記事では、マスクの着用を拒否する際に利用できるプラカードの例などが自由利用可能なものとして公開されている。

また、第二次世界大戦中の陸軍中将である富永恭次氏を「直前までマニラ死守を主張していたのにも関わらず、唐突に台湾への撤退をした富永に対し、陸軍内部でも批判が強かった」として、これになぞらえる形でコロナ対策についても「マスコミや専門家、一部の政治家が過度に恐怖あおる傾向が顕著であり、それによって客観的な対応ができずに、国民生活に過大な負担を強いられる状況が長期に亘っている現実」があると指摘している。コロナ対策の前提が誤りだということが判明すれば、「新型コロナに関し恐怖をあおったマスコミ・専門家・政治家らは、『後世において裁かれ、死してなお、批判され続ける存在』になる」のだという。
会の組織実態に関心
他方で、会の運営者については、「管理人のプロフィール」として発達障害で精神障害者保健福祉手帳3級を所持しているという以上の紹介はなされておらず、「会」としての構成員などの名前も挙がっていない。
会のアカウントとされていたX(旧ツイッター)のアカウントは、現在は、「会」の設立者と思われる有岡隆氏が提起した「感染症法違憲訴訟」の広報用アカウントとして使われている。なお、「感染症法違憲訴訟」は、令和6年12月10日に判決が言い渡され、原告である有岡隆氏(代理人弁護士・桜井康統=第二東京弁護士会)の請求は全て退けられた。
「会」のアカウントが「感染症法違憲訴訟」のアカウントに流用されているが、「感染症法違憲訴訟」の原告は有岡隆氏ひとりだけであり、複数の構成員がいることを前提とする「会」と「感染症法違憲訴訟」の同一性は観念しがたい。
「会」が権利能力なき社団であるとすると、法人住民税も課税されることになる。団体の運営には、それなりの責任が伴うというのが法理だ。有岡隆氏においては、「会」の実態と納税状況、「感染症法違憲訴訟」へとアカウントを流用した経緯などを明らかにするよう期待したい。
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