「労働者再生機構」なる「独立系労働組合」が存在する。しかし、その正体は依然として不明だ。

「労働者再生機構」は、「「新型コロナの労働問題」TDCスタッフィング休業手当請求訴訟」と題するブログを開設して活動している。ブログについては、「株式会社TDCスタッフィング(本社:さいたま市大宮区)において、休業手当未払いが発生しました。休業手当未払いに対し、さいたま地方裁判所に提訴しております。事件番号は令和3年(ワ)2668号です。TDCスタッフィング休業手当請求訴訟(TDCスタッフィング事件)のこれからの動きに、皆様どうかご注目ください!」との説明が付されているが、令和3年(ワ)2668号とは、有岡隆氏が原告となり、TDCスタッフィングという派遣会社が被告となった訴訟の事件番号だ。
気になるのが、TDCスタッフィング以外の他の会社に対する活動が何らなされていない点だ。労働組合は、労働者が2人以上いなければ結成できない。他方で、TDCスタッフィングで以前組織されていたTDCスタッフィングユニオンのメンバーは、誰ひとり「労働者再生機構」には移籍していないという。
そうすると、有岡隆氏以外で、「労働者再生機構」の組合員であるメンバーとは一体誰なのか。このことを明らかにするべく、東京都板橋区の男性が「労働者再生機構」のFacebookに連絡を試みたが、ついに応答はなかったという。「労働者再生機構」のX(旧ツイッター)も、現在は非公開となっている。
万が一、有岡隆氏以外の組合員が存在しない場合は、「労働者再生機構」は労働組合ではないことになる。労働組合ではない場合は、労働組合法等に基づく免責特権は適用されず、企業の名誉を毀損した場合、名誉毀損罪などで処罰される可能性が残る。
有岡隆氏は、「TDCスタッフィングユニオン」の代表者を務めていたことがあるほか、「障害者差別解消法を啓発する市民の会」を率いるなどの実績を有する活動家。岡山県笠岡市を根拠として活動している。同会の投稿によれば、有岡隆氏は発達障害で精神障害者保健福祉手帳3級の交付を受けている。
コメント