プレカリアートユニオン(東京都新宿区)の元執行委員を名乗る名倉マミ氏(46歳・大阪市)は、4月28日、吉本興業の芸能人を誹謗中傷した容疑で、罰金刑の略式命令を受ける予定であることを自ら明らかにした。別人への名誉毀損罪の前歴もあるという。
名倉マミ氏は、プレカリアートユニオンの元執行委員(除名処分)、作家、フェミニストなどを名乗る活動家。大阪市西成区在住で、氏名が「名倉マミ」であること、電話番号=080-6121-3820・メールアドレス=amashibu@gmail.comとの連絡先を自ら公開している。
名倉氏のツイートによれば、名倉氏は、去年ごろから今年2月ごろまで、吉本興業の芸能人・千葉公平氏について「避妊しないことは性暴力」「千葉公平は性加害者」という文言をXのアカウント名に入れて数ヶ月間にわたり拡散。2月には大阪府警南警察署が家宅捜索に入り、千葉氏に宛てたファンレターやパソコンなどを押収されたという。その後、4月18日までに大阪地方検察庁の取り調べを受け、「数年前に別人への名誉毀損の前歴があった」ため、略式命令を提案されたという。
名倉氏は、略式命令に応じ罰金刑の言い渡しを受ける予定であることを明らかにしている。略式命令を拒否すれば、公判請求される公算が大きいという。「前回」の別件の名誉毀損罪の容疑についても、警視庁により家宅捜索を受けているというから、累犯で悪質性が高いと評価された可能性がある。
名誉毀損罪は、公然と事実を摘示して人の社会的評価を低下させた場合で、公共の利害にかかる事実ではなく、もっぱら公益を図る目的に出たものではないときに適用される。
名倉氏は、千葉公平氏と妻(吉本興業所属の共演者である鮫島幸恵氏)の婚姻関係について、「長い交際期間がなかったことは本人の弁、SNS、またわたし独自の観察から強く推測される、というよりも明白」「14歳も年の差のある千葉公平氏と妻のマッチングが同じ事務所のメンバーによるアルコールハラスメントであり、妊娠はその結果の純然たる事故であって、千葉公平氏も被害者たり得る」などと指摘するが、「避妊しないことは性暴力」「千葉公平は性加害者」という文言が名誉毀損とされたこと、現在はその容疑を名倉氏も認めていることなどに照らすと、名倉氏の見解は「独自の観察」に基づく「推測」に過ぎず、「性暴力」「性加害」などの事実はなかったことが推認される。
また、名誉毀損罪で有罪とされる見込みであることに加えて、千葉氏のファンとして差し出したファンレター(押収)の存在なども考えると、名倉氏が千葉氏に好意を寄せており、千葉氏の結婚相手となった鮫島幸恵氏に嫉妬等の悪感情を抱き、個人的な怨恨から、もっぱら公益を図る目的によらず、前記「性暴力」「性加害」などとの投稿を行った可能性も否定できない。
名倉氏は、プレカリアートユニオンの執行委員であったというが、本人の説明によれば、総会決議により除名処分を受けた。除名処分に前後して、プレカリアートユニオンの別の組合員により「部落差別」の被害を受けたなどとして訴訟問題に発展していたという。
この訴訟でも、名倉氏は、原告のユニオン組合員の女性により名誉毀損として55万円の損害賠償を請求されていたという。詳細は不明だが、同様の「名誉毀損」の疑いということであり、名倉氏が語る「別人への名誉毀損罪の前歴」と何らかの関係があってもおかしくない。

プレカリアートユニオンを被告とする総会決議不存在確認等請求訴訟で一審・二審と完全勝訴した組合員の宮城史門氏は、「名倉マミ氏にとって人生史で唯一といっていいほど、活躍のできる”居場所”がプレカリアートユニオンだったのではないか。除名処分により”居場所”を失い、ついには『前科』がついてしまった名倉氏の境遇には同情を禁じ得ない。2回も家宅捜索を受けて略式命令ということになれば、万が一、今後別件でさらなる犯罪の嫌疑を受ければ、逮捕はもちろん、公判請求も免れないのではないか。留置場の夏は厳しい。「独自の観察」に基づく「推測」はもう書き込まない方がいいのではないか」とコメントした。
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